放課後の国

放課後の国 (フラワーコミックス)

放課後の国 (フラワーコミックス)

オムニバス。「クラスでちょっと浮いてる人」たちがそれぞれ「たったひとり」ではなくなる話。
まあ、あれだよ、問題は2話目なんですけども。それは置いておいて、わりと軽く浅瀬を歩くような、テーマは「孤独」だけど救いようのない方向に行くんじゃなくてちょっと足首に水の抵抗を感じるくらいの読後感。もしくは目の粗い櫛で髪をとかすくらいの抵抗感。さくさくしている。「STAY」は夏の話だったし女の子の話だったのでそこそこ粘度があったし、「双子座の女」に至ってはざくざくだった。たぶん腰くらいまでは水に浸かっていた。そこらへんがちょっと違うかな…でも別にそれが良い悪いという話ではなくて。
西さんの絵が軽快で奔放で、ラストの余韻もあいまって心地よい漫画でした。どれもいいハッピーエンド。(あとがき読むとさらにそう思うけど)登場人物たちのお互いへの距離の取り方が良いですね。くっつきすぎてなくて。最終的な距離感の部分が大事なので「出会い」の描写はかなり省略されてます。ちょっとびっくりするくらい省かれてるので読みつつ「およよ」となったりしますがまあそこはさくさく流せ。


この人の描くメガネ女子はエロカワとかじゃなく本当にキツめ系になるのでリアルだなといつも思います。メガネといえば2話目の星を愛するメガネくんのヒョロ細い感じもリアルで非常によいと思います。(結局そんな感想か) この子達は今後も筆談で会話してゆくのだろうか。それとも2人のときはちゃんとしゃべるのかな……。…………。や、いや、うん。
星好き少年の話とエロ小説書いてるメガネ女子の話がよかったです。数学狂の男子はちょっといろんな意味でかっこよすぎると思います!造形とか!(笑)「生徒会長に忠告」の攻みたいよ。