河鍋暁斎について

ぽつぽつ飛んでくる人がいるのでちょっとだけ。*1この人については河鍋暁斎 - Wikipediahttp://www.kawanabe-kyosai.org/あたりで大体辿れると思いますが、図版やその人となりを手っ取り早くある程度の量知りたいなら「芸術新潮」の98年6月号「特集:デーモンなくして何が絵か!河鍋暁斎の逆襲」をおすすめします。こういう美術雑誌は古本屋さん(ブックオフとかじゃなく商店街とかにあるような「古書店」然としたところ)によくあるので入手はそう難しくないと思います。
芸新の特集は図版大きめで量もそこそこでわかりやすい内容なので最初の一歩としておすすめです。これ見てるとああ、この人は本当に絵を描くことで生きているというか描くために生きているというか呼吸をするように絵を描くというか、さすが画鬼*2、「デーモン」なんだなと思います……きっと頭の中に描こうと思ったモノのかたちが3Dできめ細やかに保存されていて、しかもそれを恐ろしい精度とスピードで出力できるんだなー。
「絵の上手い人」はたいてい毎日のように何かしら描いてますけど*3この人も例に漏れず毎日絵日記をつけてます。芸新にちょっとだけ載ってますが、これがまたマンガチックでかわいいんだ。

暁斎妖怪百景

暁斎妖怪百景

京極夏彦の解説(?)つきでこんな本も出てるんですね。知らなかった。


私は暁斎の下絵が好きなんですが、いくつか載せているブログがあったので
大人げないっ! 【河鍋暁斎の下絵(肉筆原画)を視る。】
薄い紙を貼り重ねて修正するという独特の方法。これも芸新に図版がいくつも載ってます。そういえばご本人の晩年のお写真も載ってますけど、一筋縄ではいかなそうな、とても意思の強そうなお顔をしていらっしゃる。アニメは美少年すぎるんだけど(笑)ご存命の子孫の方々なんかはこういうフィクションの中に彼が登場することをどう思ってらっしゃるんだろうなあ(もしかしたらご存知ないのかもしれないけども)

*1:アニメ作中では「狂斎」ですが、これはもっと後になってからの雅号ということでアニメでは「いずれこの名にする」と自称している設定になってました。「暁斎」はさらにその後で明治になってからの雅号です

*2:これも雅号のひとつ

*3:暁斎の曾孫さんがインタビューで「うちは毎年正月に書初めならぬ描初めをやっていたので家族は全員ある程度なら絵が描けた」という話をしててやっぱりそういうものなのか…と思いました