黒執事@サンシャイン劇場

コスプレは本当に完璧。全体としてみれば問題はてんこもりなんだけど、「原作漫画(アニメ)のキャラを三次元化」の点についてはすばらしかったです。いい意味で予想通りに坊ちゃんがかんわいぃぃいぃかった。もうこれで充分じゃないか(思考停止)と思いつつ、や、それじゃやっぱイカンだろ、な、と。
これから行く人には「アクションに期待するな」「キャッチーで派手な曲・歌唱・ダンスは期待するな」「ていうかダンスらしいダンスって無くね?」の三つで。そこに期待するとかなり肩透かしだと思います。二つ目以降は種類が違うと言われればそれまでだけど、最初のはほんとに、いろいろしょっぱかった。
アニメは通して見たけど原作漫画はチラリとしか知らないので、以下見当違いだったら申し訳ないです。

  • 終わってから感想を友達に送ったら「いたたまれない系サービス(女装とか)あった?」って返ってきて、そういえばそういう類のものは一切なかった!と気付く。いさぎよいくらい皆無。アニメでは「もうおなかいっぱいなので結構です」ってくらい叩き込んできたのにこっちは全然なかった!いや、いいんです、むしろ全然いいんですけど、ちょっとびっくり。意図したものなのかなあ。ソニーチェックかな。
  • そもそも坊ちゃんと越前は都合上コンパチなのでショーゴが似合わないわけないですが、想像通りのたいへんすばらしいコスプレでありました。お色直しが数回あって、衣装はアニメのメインビジュアルの緑の服と、フリルもりもりのパーティー用正装が2着、+帽子とマント、私はよくハロ紺見ては「女子アイドルのステージ衣装作る仕事がしたいよお」ってクダ巻いてるけど、何かそれと似たような……あっあれか…着せ替えしたい願望か…(気付いてなんだか陰鬱な気持ちに)
  • 眼帯外すシーンで眼帯と一緒にマイクはずれちゃって見てるこっちがオワー!ってなったけど全然問題なかった。さすが堂々としてらっしゃる。でもあんなに噛みまくるしょーごは初めて見たので、やっぱりやりにくさとか不慣れっていうのはあるんだなあ。テニミュマジックって本当に恐ろしいな。
  • たっくんは私の中で「スクエニ系少女漫画から三次元に出てきちゃった人」というイメージなので、カンペキパーペキパーフェクトでした。まあそんなこたみんな見る前からわかってるよね。
  • あまりにも完璧なので「DEATH☆」のたびに客がちょっとどよめく。
  • たっくんは福山キャラ互換性能でもあるのかな
  • セバスは「どうせ事務所が手っ取り早く知名度上げるためにぶっこんだんだろ?主催ソニーだし」くらいの気持ちで行ったら、予想外にものすごくがんばってたので色眼鏡で見てごめんなさい、と思いました。一人だけセリフの量がすごく多いししちめんどくさい言い回しだけどちゃんとお芝居していたし、冒頭でペーパーナイフを落としちゃったときも即アドリブで違和感無く乗り切ったし、とりあえず本人はヲタ仕事だからって手を抜いたりしているようにはまったく見えなかった。この点は事前に色眼鏡すぎて本当に申し訳なかった。歌は本業歌手だしふつうにお上手でしたよ
  • …というかむしろ「これまで漫画読んだことなかったけどこれを機に読み始めたらハマっちゃって3ヶ月で100冊」のほうがたいへんだ!免疫ない人が大きくなってから罹患すると危険だな!
  • メイリンの眼鏡は乾みたいに透けててもよかったのに、と思う。それで運動性能上げた方がよかったんじゃないかなあ
  • 葬儀屋さんも本物だったよ
  • アバーラインさんはすごいがんばってたっていうか居てくれてよかったというか
  • オリジナルキャラ3人。これはー、個人的には失敗だったと思う。けど、難しいよな…うーん…。でも私のような役者寄りの客はさておき、原作や題材が好きで来た客が見たかったのってこれなのかな。違う気がするんだけど。

セットとかアクションとか照明音響とか

  • しょぼかった!
  • セットにまわす予算を衣装にまわしたんだと思えば納得できるかもしれないが
  • いかにも「お屋敷風セット」でひねりもなにもなく、出来自体があんまりよろしくない上に固定なので舞台後ろ半分がそれに占拠されてて、アクションも前方半分を使ったものばかりで(幅が狭いので長い棒状の武器を使ったアクションがいかにもやりづらそう)せっかく動ける役者が揃っているのに生かせていない感じ。段差もほとんど生かさず(生かしようがないのか)単調。動きに連続性がないのでスピード感がない。やられ役がゾンビなんだけど、すごい俊敏に動くときもあれば役者を追っかけてのたのた退場したりと緊張感がない。殺陣の効果音も安くてペラペラな音だし全然動きに合ってない!(致命的すぎるだろ…)
  • あと気になったのが照明で、なんだか知らないけどスポットがやたらガクガク動いてて目立つ。素人かよ!プランもいまいち。
  • わー文句しか書いてなくてすいません。誰が悪いんだこれは。

「お部屋のセット」ってよっぽどじゃないと学芸会と紙一重になっちゃうことはわかるんだけど、もういっそこれイントレ丸出しで上下に動けるようなセット組んでいろんなところに蝋燭とかお屋敷の壁の間接照明みたいな感じの灯りつけてやったらどうだったかな…*1他の小道具が浮いちゃうかなー…衣装は豪華だし役者もカタチとして華があるから負けないし世界観は出せると思うんだけど*2…とにかくあのセットは「舞闘」の邪魔にしかなっていないように見えました。サンシャイン劇場で無茶言うなってことかしら(それにつきる気がしてきた)…つーかせめて壁をアイボリーじゃなくてもっと濃い色に…ああそうすると燕尾とか坊ちゃんの服が同化しちゃうのか。うーんでもそこは照明でなんとかなるんじゃないのか。
なんか黒執事のアクションって夜間のイメージがあるので*3、あんな明るい室内じゃなくてもっと暗いところで闘えばいいのに…って思ったんですよ。明るい中でやるともっさい。敵が出てきたら照明ががらっと変わって薄暗くなるとか赤黒くて不穏な雰囲気になるとかでもよかったのに。評判のいいセバスとグレルのシーンがよかったのはあのシチュエーションのおかげもあると思う(ただやっぱりあのシーン奥行きが狭くて高低差がないから二人の身体能力を生かしきれてないなあと思っちゃったけど)。 イントレどうこう言ったのは、それだけで屋外も屋内も表現できるからなんだけど、ん〜…せっかく題材がアクション向きでおもしろいのになんか生かせてないよな〜もったいないな〜〜
今週末もう一回行くので、せめてオペミスが減ってることを祈る。
いろいろぶちぶち言ったけど、そもそもしょーごとたっくんのコスプレが楽しみ、という端的すぎる部分にチケット代を払っているのでそういう意味で文句はまったくないのです。ただそれプラスそこそこ楽しみにしてたアクションがしょっぼかったのでせつないだけです。はー…サンシャイン劇場はせますぎる…

後日追記

翌週見たらずいぶんよくなっていたのでまた別に書きます。でもやっぱりあれで「他のアクション重視舞台には負けません!」って言っちゃうのはどうかなー…

*1:前ドラキュラ系の題材でそんな感じの舞台美術見たことがあったんだけど…

*2:いろいろ考えたんですけど、今回は「初めて舞台を見る人」を重視しているそうなので、イントレ系だと「お屋敷なのに安普請すぎます!!!」って言われちゃうかなという結論に。まあ確かにな…そして2回目見て我ながら「イントレはねーな」って思いました。でもやっぱりあのセットの作りはちょっとどうかと思うの

*3:というか全体的にゴシックの暗いイメージと、イギリスロンドンのじめっと薄暗い感じ