10年

(思い入れのあまり電波が出ています、すみません)

Zero (10) (花とゆめCOMICS (2845))

Zero (10) (花とゆめCOMICS (2845))

Zero (11) (花とゆめCOMICS (2846))

Zero (11) (花とゆめCOMICS (2846))

2冊同時刊行・完結。
さようなら私の青春のやまざき貴子


中学生時代は神のように思っていました。アカデメイアゴンドワナ、マリーブランシュ、若菜&紫野、可視光線、そしてっポイ!。どれも大好きでした。いや過去形じゃなく、大好きです。マリーブランシュを読むたびに泣いていたピュワな中学生でした。アカデメイアみたいな宇宙ステーション大学の設定が大好きでこんな未来になったらいいなと思っていた中学生でした*1。出てくるどの子も大好きでした。へーちゃんと万里の年を追い越して自分が大人になってしまうのが怖かった思春期でした…。
夏がくればZEROの季節、と思っていた頃もありました。初期は確かにとても刺激的で、小出しに謎をばら撒いて、やりすぎ(というか空回り)な描き込みと設定を盛り込んでいて、この物語の最後はどう決着をつけるんだろうとドキドキしていました。
っポイ!が永遠の中三の冬に突入したあたりだったか、もうわかんなくなっちゃいましたけど、ZEROは元々リアル寄りの作画だったのがどんどんイカン方向へとウネウネ進化していってもはやクリーチャー、キャラは異常に多いのにいろんな意味で描き分けできてないし役割被りしてる人もいるから読んでて混乱するし、描線もトーンもきれいにつくってあるけど全部が同じ濃度で埋めてあるからものすごく読みづらくて体温をまったく感じない人形っぽいものが動き回る本になってしまって、…それでも買い続けていたんですけど。
結局ラストシーンまで読み終えたけど「で、彼らは一体何を、何のためにそんなに必死になっていたんだっけ?」と思ってしまったのでもうだめだなあと痛感しました(呆然ともいう)
ラストの会話を描くために、そこに繋げるためにここまで描いてきた、とあとがきにありましたが本当に「プロット消化するためだけのノート」みたいでしたよ。漫画じゃないよ、これ。
センセイはきっと物凄い凝り症でいらっしゃるのでしょう。とことん詰めないと気がすまないのでしょう。それはすごいと思います。裏打ちのある漫画はやっぱり深みが違うと思います。でもこれはっきりいって漫画じゃないです。センセイの少女漫画家らしさが私は大好きでしたが、ZEROは少女漫画でもなくましてや少年漫画でもない、というかこれ、しつこいようだけど漫画じゃないです…。セリフとスクリーントーンの羅列です。


お疲れ様でしたセンセイ。正直一番驚いたのは帯の「っポイ!連載再開!」でした。受験が終わったというのは風の噂で聞いていましたが完結してなかったのかよ!!

やや正気に戻りました

すいません、もう本当に大好きだったのでいろいろグルグルしました。初期作品の神っぷりは変わらないけど、…そういう意味でZEROは私にとってそこまで思い入れは深くないものだったかもしれません。いやでもザット好きだったよ。みんなのおかあさんなザットが好きだったよ。8か9あたりで爆発したときはさすがにショックでした。
あの話自体にそう違和感はないしオチもそれらしい感じにまとまっていて(子供ネタとか)異論は特にないけど、そこに至る見せ方が、私の好きなやまざき貴子ってこんなだったっけか(呆然)ていうかこれは漫画なのかよ(呆然)「リアル」な背景絵に表情の伝わってこないお人形みたいなキャラと説明の文字列(セリフ)が描いてあるだけじゃないのかこれは(呆然)
1巻からちゃんと読んでいったらまた印象も変わるかもしれません、が。
あ、異論ないって書いたけど二重人格オチは拍子抜けだった。
4巻が出たときに書いた感想を探したら(何年前のファイルだよ!みたいなのをMacから発掘)

12天予想
二人共(元)中性って設定から「友也+リカコ→ゲオ+ジュリア」もしかしたら二人は兄妹?ゲオの父・明がミロクなので「明」→ゲオは納得できてもじゃあ「友也」はどうなる?伐親子は?どう考えてもアキフミが生きてるような気がしない。バツの「血まみれのビジョン」の真相もわからない(単純に考えて二重人格?でもそれじゃ単純すぎるか)

あーねー…。


世の中完結させずに酷い有様になるおはなしが多い中、この人はちゃんと落とし前つける真面目さとか作家としてのプライドはあったんだろうな。

*1:今でも思ってます。瀬名秀明の「八月の博物館」とか菅浩江の博物館惑星みたいな設定がだーいー好きです