谷川チルドレン
例によって前置きが長いです。
- 作者: 谷川史子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: コミック
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そんな谷川チルドレン(同年代には多数存在すると思われる*1)もりぼんを卒業し、谷川さん自身のテイストも種村インパクト後の「りぼん」とかけ離れてきた2000年以降は主に「クッキー」や20代以上の女性を対象とした漫画雑誌に作品が掲載されるようになりました。そして、仕方ないとはいえクオリティーは明らかに落ちていたと思います。彼女の最大の武器である「ピュアさ」を生かせる「中高生主人公」を封印せざるをえなかったからかもしれません。主人公の年と同年もしくは下の世代に向けて、ユメを見せるようなストーリーを作るわけにいかなくなったからかもしれません。単純にネタ切れとかマンネリとかもあるでしょうが。
かつてはユメを見せればよかったので、谷川漫画の男の子(男の人)たちはとても清く美しい子たちばかりでした。そういう男の子を見せていればよかったんです*2。でも20代↑の読者を前にしてそればかりやるわけにもいかなくなりました。心機一転「悪い男」を描こうとした「魔法を信じるかい?(ISBN:4088562496)」は谷川漫画としては最長の全3巻ですがダダすべりしました。往年の読者は誰もこの人の漫画でヤったヤらないの揉め事は見たくなかったのです(新規の人にとっても中途半端に映ったのではなかろうか)
さて、最新刊「積極」ですが、結論から言うと「最盛期ほどの輝きはないが確実にこれは私の好きな谷川史子だ!」です。3編収録ですがどれもヒロインに対して男性陣の描写がうすく、しかしこれは得策だったと思います。表題作なんて「定年間近の教授」という極端に「男臭さ」を廃したキャラクターでした。*3正解です!正解です先生!谷川漫画に男臭さは必要ないのです!(極論)男臭いというのはちょっと語弊がある気がするので、もっと適した言い方をすると精液臭さは必要ありません!です(極論)
…いや、その調子で一生同じような漫画描いてろってわけにもいかないので酷なところなんですけど……なんというか適性外のことは無理にしないでくださいっていうか……
で、今私が谷川史子に何を描いてもらいたいかというとずばり「男の子が主人公で男の子しか出てこない漫画」です。あれ、上記の主張と矛盾してませんか?と思われるでしょうが矛盾してないのです。「きみのことすきなんだ」です。じゃなくて、あれです、あとり硅子路線です!
BL系漫画はエロ固定しなくていいし友情以上恋愛未満もどんとこいだし作風や絵柄にも寛容だと思うので、どうですか!どうですか!ダメですか?!私必死すぎますか?!もう数年越し(それこそ「魔法を〜」を読んでゲッソリしながら思ってた)の希望なんですけど、ダメですかね?「こんな清廉な男の子など存在しないだろう」みたいな子たちばっかり出てくる漫画。どう?ダメ?
谷川ヒロイン
少女漫画というのは基本的にオシャレでいなくてはならず、現代ものの漫画であればその時の服や髪型の流行をある程度取り入れることが必須です。まあ、ありなっちみたいに「それはコスプレ衣装か?」みたいな服描いてもスルーされる漫画家さんもいますけど…。で、私にとって谷川漫画のヒロインといえば一番に黒髪ストレート(小津さん@各駅停車)なんだけどそれはもう現代の流行ではないので、そういう子を出すわけにいかないのが淋しいです。そもそも黒髪キャラ自体出しにくい状況なのでここ最近の谷川ヒロインはみんな白抜き髪でふわふわパーマかぽわっとシャギー入ったボブの二択。仕方ない…仕方ないんだけど淋しい。くじらちゃん(@くじら日和)みたいな黒ベタゆるパーマロングヘアーも「無し」なんだろうな*4……酷だなあ少女漫画って。
追記
2007年刊行予定で絶版になっている初期作品の文庫版が出るようです(http://comic-bunko.shueisha.co.jp/qa/qakako.html)コミックス版全部持ってるけど買う。絶対買う。しかし例の「誰が買うんだか全然わからない雑誌」こと講談社の「ベス」連載決定って、喜んでいいやらなんとやら。あとアワーズプラス連載作品を早くコミックス化してください…!