「ユウコ」@新宿シアターモリエール

悪ふざけも需要があれば具現化するのだなあ…。内輪向けの小規模舞台、舞台っていうかイベント。西力から届いた封筒開けたらいつものイベントチケ的な薄ピンク色のコピー紙片が出てきて笑った。文化祭のチケットか!
なにわ祭り未経験の私は正直ついていけるか不安だったけど、そういう心配は必要なかったです。そこはよかった。しかし5代目厨以外にはまったくまったくおすすめできないことに変わりはない。マニア向け。
まさかの最前列で覚悟はしていたけどいろんな液体が飛んできました。あと近すぎる+舞台が低い+みんな背が高いのコンボで見上げるのに疲れるのでたまに目の前の足ばかり凝視していました。ユウコユニクロのスリッパだなこれ。
一番びっくりしたのは、全編ギャグでコメディなのかなあと思っていたら最後が人情話で社会派オチだったことです。避妊は大切ですね!!!(しろめ)
1幕:矢部家の双子の息子(エボ翔太)が通う夜間学校で授業参観があるんだけど、昼間のクラスの生徒と抗争勃発?!みたいなギャグ。まず照明付いたら目の前にユウコが立ってて、第一印象は「でけえ!!!!!」で…でかい…ふつくしいけどでかい…でかい美女がいる…つけますごい…なんかこれすごい大変なものを見ている気がする…(五分後)…わーまじユウコふつくしいなーこれほんとに辻ちゃん?男?いやいやいやいやいや……これふつうにきれいなおばちゃんだな…ぱんつすけてる……
5代目メン以外に男性の役者さん4人、女性の役者さんが1人いて脇を固める感じ。ちょこさんの暑苦しい教師役は新鮮でしたというかちょこさん・エボはテニス以外の役をやっているのを初めて見たのでまあ新鮮です。あと私5代目イベは大江戸くらいしか行ってないのでそこまで中の人に詳しくなく、素の状態でどういうイメージかがまだあんまり定まってないっていうかなんていうか。あ、あっきーも海堂以外を初めて見たけどこれは想定内だった。つーか、あっきー!(笑)
あっきーは散々前説でいじられていて(ゲネで鼻血噴いたらしい)本人もド緊張しているらしくたまに芝居が素に戻ってて、最終的にはあっきーがセリフ喋るだけで客が笑うっていう…。1幕では我善導さんが至近距離で大量の唾を飛ばしながら喋るので顔面びしょびしょになっていた。あっきー(笑)仕事してください。
2幕:矢部家の大黒柱が公園で愛妻弁当を食べようとして通りすがりのいろんな人に絡まれる話。エボと翔太がお笑いコンビとして二役(エボがマイケル、翔太がジャクソンでコンビ名はTHIS IS IT)。馬「うちの息子たちに似てるね!」ショートコント披露するんだけど、エボが一回素でむせちゃって翔「だいじょーぶかよジャクソーン!」エ「俺マイケルだよ」
馬はカリフラワーを食べながらしゃべるシーンで毎回カケラを飛ばすらしいですが*1、口から飛んだ破片が舞台最前に落ちましてね、距離的に最前列の人間が手を前に出したらすぐ届くくらいの位置でね、これあっち界隈だったら絶対暗転中Getする奴いるんだろうなあとか考えて自己嫌悪しました。
3幕:剣術道場でユウコと先生とお笑いコンビが修業する話。殺陣ってどこで出てくんの…って思ってたらここだった。前説で最前列はエボが落ちるかもしれないから気をつけてねって言われたので膝の上を空けてスタンバイしていました、というのは半分(半分?)冗談としても舞台との距離が近すぎるので目の前で剣振られると怖くて正直殺陣どころではなかったのが少し。ユウコは美しかった。本当に美しかった。もうこのあたりになると普通に美熟女に見えているのでち○こついてるとか信じられない。カツラもつけてなくても、スカートはかなくても、完璧な女装というものは成立するのですね…。
4幕:矢部家に強盗が押し入ってピンチ!なシチュエーションコメディ、と見せかけて唐突に社会派。びっくりしたよね(しろめ)女装した辻ちゃんがおせっくすの大切さを滔々と語り出してね(しろめ)すげー長いしね(しろめ)目の前で翔太マジ泣きしてるしね(しろめ)なんだこれ
強盗カップルのうち女の妊娠が発覚・男のほうは売れない役者であまりにも芽が出ないから国に帰ろうと思っていた・女は男の夢のために子供はおろすつもりでいた、という流れでユウコのお説教が始まるんだけど
つらいポイント

  • おろすなんて簡単に言うことじゃない!それは一つの命を殺すってことよ!程度なら予想できたんだけど
  • そこからユウコ独壇場のスーパーロングお説教タイム 笑いは一切なしに進む。長い。つらい。
  • 「あなたたちの言葉だと、エッチっていうのかな、どうしてエッチには快楽がついているか知ってる?」つ…tsujichan!!itatamarenaiyo!!
  • 役者なんて不安定な職業は!みたいなセリフが出てきてつらい
  • 「私たち、学生結婚だったから…」
  • 辻ちゃんが芸達者すぎるせいで妙に生々しいよ!!
  • 長いよ!!
  • この時ばかりは最前列を呪うしかなかった。目の前だし自分の逃げ場がない。
  • さいしゅうてきにはかぞくばんざいかぞくサイコー!なんだが目の前で翔太が涙を流しておりもうなんかど…どうしよう…いたたまれない…
  • エボは終始きれいな彫刻のようなIKEMEN笑顔でした

相談することすらせず簡単におろすとかダメゼッタイ、という流れを伝えるのにどうしてあんな生々しいお説教を延々組み込んだのか脚本家さんの意図がまったくわかりませんが(推しメン見に来た成人女子相手にそんなプロパガンダされましても…?みたいな気持ちです)、いやはや終始ギャグで終わるかと思ったらとんだ展開だったよね(しろめ)ばばりょにしがみつく息子2人(特に翔太)マジカワイーとか書く気がちょっと飛んだよ。こう言ってはなんだけど、「○○まじかわいー」「○○まじかっこいー」っていう端的なものを求めて来てるイベントじゃないですか、これは。本気で芝居やってる人にはとても申し訳ないけど。


内輪のノリに甘えて素が出てしまっている部分は少なからずあったと思う。ファンしか来ない(評価の甘い)ものだから、ちゃんとした舞台ではない…という意識は少なからずあったんじゃないかなあ…実際そうなんだけど…*2。そんな中辻ちゃんは本当にすばらしかったです。まったく、一切、妥協してなかった。一人だけ次元違ってたよ(本気の次元が)
とかなんとか言いつつ、細部でここは本人同士のディスカッションとか培ってきた(笑)アレでうまくアレンジしたんだろうなと思えるところもありました。5代目が演じるキャラ同士が諍う展開はないので、そういうとこは仲良し特化。
もし次があるのなら、最初からショートコント・コメディに特化したかる〜いイベント的なものか、もうちょっと大きめの小屋で本気で、ガチと書いて本気で、芝居やってほしいです。できれば後者が見たいよ。本気になったお前らがどんだけすごいかってことは、観客が一番よく知っているんだよ。


まるで不満たらたらのようになってしまった!のでかわいげのあることを書いておきます。カテコでみんながわやわや喋っている間、一番端で半分独り言めいたツッコミ(他のメンバー聞こえてるんだか聞こえてないんだかそれに対して一切反応しない)を入れ続けているちょこさんがとてもツボでした。あーこれが!これが例の!(笑)まーその、仲良しなのは今後も合同イベントとかで見せてくれれば嬉しいし、本気の芝居は本気の芝居で見せてほしいよねー!ってことです。全員敵対してるようなのとか見たいわー。もしくはこないだのアミュ黒白みたいな徹頭徹尾ガッチガチなのでもいいよ!

*1:昼の回?だかで落としたのをそのまま拾って食べたらしい

*2:手を抜くってわけじゃないけど甘えはあったと思う。これでも許されるでしょっていう。テニス本公演における5代目にそういう妥協は感じたことがなかったので、ちょっとびっくりした。そういう意味でこれは芝居・舞台ではなかったのかなと思う