「山下書店はBL専門店なのか?」

さて今日の本題です。

今回初めて件のPOPを見て衝撃を受けた時、私は実はひぐちさんの既刊*1を探しにあの書店へ出向いていたのです。


おお振り1巻がネット上で*2かなり話題になり、腐女子によるファンサイトも増えている。これは今までの傾向からして山下書店は絶対に仕入れているだろう。平積みもしているだろう。「勝てるよ!」あたりのコマのコピーと、「男の子たちがガンバってる青春で萌え萌えなマンガです!」とかそんな感じの恥ずかしいPOPつけて、もしかしたらBLコーナーにあるかもしれない。いや、もしかしなくても…………それはさておき品薄の既刊もがっつり入荷して並べて売ってるに違いない。あそこはそういうとこにはぬかりがないから。………そう思って買いに行きました。アフタはどのへんかな。おや、ビーボーイコミックスの中に見覚えのある表紙が………。……………。想像以上の文面に白目をむきました。ああもうここで漫画は買うものかと思いながら帰宅。そして今に至る。(ちなみに既刊は置いてませんでした)


さて、上の例(実話ですが)からもわかるように私は「情報の早いオタ本屋」として認識していました。それも「女性向け」の。特にBLの量は尋常じゃないです。一般書店の3、4倍くらいは軽くあります。私はBL(一次創作)には興味がないのでどれくらい「使える」のかは明確にわかりませんが、もしBL系で絶対的にメジャーなもの*3以外で欲しい本があったら真っ先にここへ探しに行っていたでしょう。また、私の他にも「ネットで話題になっている漫画だからあそこなら「おお振り」売ってるはず」と買いに行った・買ってきたオタ女子は多くいると思われます。それくらいに認知(「信用」「信頼」)されている書店だと思います。(このへんは純粋に功績で、スゴイと思います)


しかし、そうして「女オタ向け」「BLファン向け」の書店だという認識がありつつもあくまで「一般書店」だと私は思っています。確かに画材屋が目の前だし元々のオタ比率が高いのは確かでしょうが、横長の売り場の真中を占める一般書・雑誌コーナーはオタではない人がたくさん立ち読みしています。隣のHMVもそうです。確かにそういった人たちは(異様な雰囲気を察知して)あの売り場の内部まで踏み込んでこないかもしれませんが、決して(男オタにとっての)とらのあなと同列の「オタ書店」ではないはずです。*4


ですから、あくまでもオタ側では「(女向け)オタ書店」という認識ですが、一般世間的にはそうではない。ゆえに、「腐女子が多いから、腐女子向けの店だから、ああいうはっちゃけたPOPをつけてもいい」という理由にはならないのではないかと思うのです。「腐女子度120%強!」の文字が腐女子以外の人の目に触れる確率の問題ではなくて。入ってくる客の9割が腐女子だろうが、あの立地で店を構えているのは「山下書店本店」であり、「山下書店BL館」ではないのですから。実際BL雑誌山積みの隣の棚で絵本を選んでいるお母さまもいるし、少女漫画コーナーで矢沢あいを物色してるギャルもいるし、「バッテリー」求めて誘導されてきた「初老の男性」も来るわけで。*5


……我ながら書いててわけがわからなくなってきました。


さて、仮に「オタ・腐女子向け書店」で「腐女子度120%強!」とか「キャプ翼より笛!」を見かけてしまったとしたらどうしたかというと、やっぱり嫌な気分になることは確かです。文面がいくらなんでも頭ユルすぎますし。ただ「オタ・腐女子しかここには来ない」という暗黙の前提があるので「痛いなあ」だけで一応終わると思います。


この差はなんなんだ、ということについては自分の経験談も交えて以下次回。イヤ書店員バナシ(c.地雷犬さん)という意味ではもうほんと、答えも何も出やしないのであまり引っぱりたくないというかなんというか……えーと、たぶん、腐女子コミュニティとかそういう話になっていくと思う。かのPOP作成者はその領域を大幅オーバーしてしまったんだろうなあ。それが反発を呼ぶ・呼んだのではないかと。

*1:「ヤサシイワタシ」。結局別の書店で買いました

*2:特に801板「今日買った本スレ」ではものすごい連鎖ブームになっていました

*3:よしながふみとかウィングス系、もしくは出たばかりの新刊

*4:現に迷い込んでしまったらしきふつーのカップルが「なにこれ…」「ヤングサンデーでやってるやつが欲しいんだけど、ねえじゃん。どこだよ」とかつつきあっている現場に遭遇してしまったことがあります。いたたまれなかったです。

*5:彼らが「笛」とかの用語を理解できるかとかいう問題ではなく実際見てもわけがわからないでしょうが「男同士が絡んでる表紙の本と一緒に置いてある」という印象は多少なりとも生まれてしまうかと。